専業大家への道

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横浜で大家業をしてるサラリーマンのブログ

消費税還付のデメリット(その1)

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3棟目アパートに対して消費税還付をやるかどうか悩んでいます。

消費税還付のデメリットを整理する事にしました。

 

おおきく①~⑤があると思います。今日は①~④について整理したいと思います。


減価償却が減るため増税になる
②売却益が増え増税になる
③税理士に報酬を支払う必要がある
④金の取引コストがかかる
⑤好きなタイミングで物件の売買をしにくくなる

 


いま例として、
8千万円の新築木造アパートの例で考えてみます。
建物が3800万円、土地が4200万円とします。
建物の3800万円の中に消費税380万円が含まれているとします。

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 ※横軸が27年になってますね。22年です。

 


減価償却が減るため増税になる

消費税還付をやらない場合は、消費税を含む3800万円を22年間で減価償却する事になります。
消費税還付をやらない場合は、消費税を含まない3420万円を22年間で減価償却する事になります。

 

毎年の減価償却は、
消費税還付をやらない場合は、3800万円÷22年=173万円
消費税還付をやる場合は、  3420万円÷22年=155万円
となります。

 

これらがどれくらいインパクトあるのかというと、
税率25%とすると、
消費税還付をやらない場合は、173万円×0.25=43万円の節税効果に対して、
消費税還付をやる場合は、  155万円×0.25=39万円の節税効果という事で、
毎年税金が約4万円上昇します。

 

売却しないでずっと所有している場合は、
消費是還付をやらない場合、3800万円×0.25=950万円の節税効果に対して、
消費是還付をやる場合、  3420万円×0.25=855万円の節税効果という事で、
トータルで、95万円税金が増えるという事になります。

 


②売却益が増え増税になる
途中で物件を売却した場合を考えたいと思います。
仮に、10年後に売却した場合で考える事にします。
売却の場合、その時点の簿価を明確にしておく必要があります。

 

消費税還付をしない場合は、
簿価は消費税分を含めた物件価格8000万円から10年分の減価償却の分引き算した額になります。

8000万円-173万円×10年=6270万円となります。

 

消費税還付をする場合は、
簿価は消費税分を除く物件価格7620万円から10年分の減価償却の分引き算した額になります。

7620万円-155万円×10年=6070万円となります。

 

消費税還付をした場合は、ベースとなる物件の価格が、消費税の分低くなっているので、10年後の簿価も低くなってしまうのです。

 

仮に、8000万円で売却ができた場合、
消費税還付なしの場合は、8000万円-6270万円=1730万円の売却益に対して、
消費税還付ありの場合は、8000万円-6070万円=1930万円の売却益に対して、
つまり、消費税還付を行うと売却益が200万円増えてしまうのです。

 

売却益が200万円増えるという事は、税金がどれくらい増えるのかというと、
200万円×0.33=66万円の増税となります。
ここで税率をしれっと33%にしてますが、売却すると課税所得が800万円を超えてしまう事がおおいです。同等の損益をぶつけない限り課税所得を800万円以下にするのは難しいのでここでは課税所得が800万円以上の税率である33%で計算しました。

 

このように、消費税還付を行うと簿価が低くなり、その分税金が増えてしまいます。

 

10年後に売却する場合は、①の内容である10年分の減価償却による税金増も考慮しておく必要があるので、10年後に売却する場合の増税額は、
(173万円ー155万円)×10年×0.25=45万円となり、

①と②の合計を計算すると、45万円+66万円=111万円の増税となります。

 

#ずっと保有なら 95万円増税

#10年後売却なら111万円増税

 

 


③税理士に報酬を支払う必要がある
だいたい税理士さんには、還付額の20%の報酬を支払う事になる事が多いです。

この例では、380万円の消費税額なので、
380万円×0.2=76万円 が税理士への報酬になります。

しかしこの報酬は、経費にできるので、税率を25%とすると、
76万円×(1-0.25)=57万円が実質的な数値になります。
(経費扱いになるので、25%分の19万円分は、減税効果がある)

 


④金の取引コストがかかる

 

8000万円の物件で表面利回りが8.5%で年間家賃収入が680万円とします。
仮に、この法人で1期の家賃収入が、エイやと置いて135万円とします。
2期の家賃収入が680万円とします。
3期の家賃収入が680万円とします。

 

<1つ目の制約>

1期では、全収入に対する金の取引の割合を95%以上にする必要があります。
つまり、135万円×20=2700万円 分の金の取引が必要になります。

 

<2つ目の制約>

3期の全体の合計において、金の取引を50%以上にしないといけません。
そうなると3期全体で、135万円+680万円+680万円=1495万円の金の取引が必要になります。

 


ここで、2700万円>1495万円なので、金額の大きい方の、2700万円分の取引を行う必要があります。

金の取引は、スプレッドや売買差損のリスクもあるので、2%くらいはかかるとします。

という事は、2700万円×0.02=54万円のコストがかかるという事になります。

 

ここでも経費扱いをして実質分を計算すると、
54万円×0.75=41万円

 

 

【①~④のここまでで、とりあえずまとめ】

 

ここまでの内容を整理すると、

消費税還付をしない条件をベースにそこから消費税還付を実施するとどれくらいインパクトがあるのかという視点で整理すると、


消費税還付で380万円はもらう事ができます。


10年後に売却する場合、111万円税金が増えます。

(ずっと保有だったら、95万円税金が増えます)
税理士さんの報酬は、57万円かかります。
金の取引でかかるのは、41万円かかります。

 

という事でそれらを合計すると、
380万円-111万円-57万円-41万円=171万円 (10年後に売却)

380万円-95万円-57万円-41万円=187万円 (ずっと保有

という事になります。


380万円も還付してもらえたとしても、
実質的には、なんやかんやデメリットな効果があり、
結局は、171万円相当のプラスの効果になるという事になります。

 

今日のブログとしては、いったんここまででまとめたいと思います。

 


ここまでは、物件を買ってそれから3年間は物件を買わずに
おとなしくしてるという想定でのデメリットの整理です。

 

私の中では、3年間物件を買う事が難しくなるという事が悩みの種なんですよ。
消費税還付のしょうもない制約に頭を悩ませてしまって、

自分のベストな判断ができなくなるのが絶対に避けたい事だと思っています。

 

そういう制約に縛られてしまう事が、
消費税還付の本当ののデメリットだと思っています。

 

その3年間に物件を買った場合、どれくらいマイナスのインパクトがあるのか
というのを次回のブログで整理したいと思います。

(つづく)

 

 

 

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