少し前に、アパートの生涯収入の記事を書きました。
前回は、アパートが生涯でどれだけ収入を得る事ができるのか?という視点でまとめてみました。
前回は主人公はアパートでした。新築は寿命が長いので生涯で得られる収入は大きいという結論でした。ブログに記載した一例の数値では、物件の価格の3倍くらいの収入を得ることができる。築古は利回りが高いので単年での収入は高いですが、寿命が短いのでトータルで新築よりは収入が小さいという結果になりました。(利回りの高さ以上に寿命の短さが大きくマイナス)
ただこの内容は、主人公がアパートの話です。
今回は、主人公が投資家の場合でかなりざっくりとした数値なんですがまとめてみました。
主人公が投資家になるという事で、CFベースでどれだけ生涯に収入があるのかという話になります。
ですので、融資で購入する際は、融資条件の話が出てきます。ここはざっくり計算にしました。あと税金という話も出てきます。同じくざっくりと計算してみました。
おそらく、いずれもざっくり計算なので正確な数字とは多少は乖離していますが、それらは後からどういう傾向で乖離するのかという視点で考慮していただけたらなと思います。
~前回ブログの内容のおさらい~
<生涯収入計算の想定>
・新築価格1億円の木造アパートを想定
・新築時の利回りを8%と想定する
・家賃収入は新築時100%とすると、毎年1%の下落があると想定。
・築40年で土地値4千万円で売却すると想定
・新築時から所有すると、1年目~40年目までの収入の総和に加えて売却4千万円が
生涯で獲得する事ができる収入とする。
・築10年で購入した場合は、10年目~40年前までの収入の総和に加えて売却4千万円が
障害獲得する事ができる収入とする。
<築N年の物件価格の決め方>
・その築年数における家賃収入に対して、キャップレートを割り戻したものを
物件の価格とする。
・家賃収入は、新築時から1%ずつ下落していると言っている数値を使う。
・キャップレートは、新築時8%として、年毎にキャップレートが0.01%上昇するとする。
築10年でキャップレートは9%。築20年でキャップレートは10%。
築30年でキャップレートは11%。築40年でキャップレートは12%と想定する。
ここまでは前回のブログの話です。
今回、CFを計算していくのですが以下の前提を設定しました。
・融資条件ですが、年間収入の50%で返済すると仮定しました。さらにその中の半分を元本返済に、残りの半分を金利返済としました。
・本来であれば、物件購入時に以降の返済額が確定・固定されるのですが、ここでは毎年の収入に対して上記の返済としました。(計算の簡単のため)
・ローン返済以外の経費は、20~30%としました。初年は20%で40年目は30%にしています。年毎に0.025%ずつ上昇すると仮定しました。
・税引前CFは、総収入に対して50%のローン返済と20~30%の諸経費を引いた額、つまり総収入の20~30%であるとしました。
・税金率は25%としました。
・物件価格の50%が建物費として、その額を減価償却費としました。
・減価償却費の節税効果は、毎年考慮するのでなく、生涯で上記の額を償却するという考え方で計算しました。減価償却費はどのタイミングで購入したとしても全て考慮されると計算しました。
この図は、築N年のアパートを購入した際の、生涯収入の総和です。
横軸が、築年数です。その築年数でアパートを購入し40年間保有するという想定です。
縦軸は、金額です。単位は万円です。
「潜在価値総額」というのは、前回のブログで計算した数値で、アパートが生涯で獲得する事ができる収入の総和です。毎年の収入と4千万円の売却額が含まれています。
「収益還元価格」は、新築で1億円だったアパートを想定している時に、以後経年でどれくらいのアパート価格になっているかというのを収益還元の方法で見積もりをだしてみました。
そして「出口」と書いているのが、今回見積もりをしてみた「投資家目線での生涯収入」です。
新築時1億円のアパートを想定して、
経年でアパートの価格は下がっていく。
築N年目での価格でアパートを購入して、毎年のCFを得る。
40年目で土地値の4千万円で売却する。
毎年のCFと土地の売却額の合計です。
0年は、新築を購入し0年目~40年目までのCF総和 プラス土地の売却額を計算。
10年は、築10年を購入し10年目~40年目までのCF総和 プラス土地の売却額を計算。
20年は、築20年を購入し20年目~40年目までのCF総和 プラス土地の売却額を計算。
30年は、築30年を購入し30年目~40年目までのCF総和 プラス土地の売却額を計算。
フルローンとか手出し金とかそういう概念はありませんが、
ローン返済が完了して売却する想定なので、
ここに書かれている金額がそのまま手元に残るという考え方でよいと思います。
(実際には諸経費とかありますが)
新築で1億円のアパートを購入して、
借金を返済していく。40年間の総CFが4600万円で、40年経過後で土地値の4000万円で売却する。合計で8600万円が残るという計算です。
築10年だと新築で1億円のアパートが、8千万円の価格になっており、その値段で購入する。30年間の総CFが3200万円で、30年経過後で土地値の4000万円で売却する。合計で7200万円残る。
築20年だと新築で1億円のアパートが、6千4百万円の価格になっており、その値段で購入する。20年間の総CFが2000万円で、30年経過後で土地値の4000万円で売却する。合計で6000万円残る。
築30年だと新築で1億円のアパートが、5100万円の価格になっており、その値段で購入する。10年間の総CFが1200万円で、10年経過後で土地値の4000万円で売却する。合計で5200万円残る。
直観的に、アパートの購入金額くらいのお金が手残りになるくらいの金額になってますね。借金を返済した後に、ざっくりとアパートの購入金額くらいのお金が残るという数値です。(図の緑線と黄線)
このグラフをどう解釈するのか、というところから次回に続きます。