昨日のブログのつづきです。
同じローン返済額で、元本返済が大きい場合と利息が大きい場合で概計算をしてみました。
1億円の物件で9000万円融資だとしましょう。
半分が建物。22年で償却するとして、
年間の減価償却は、220万円だとしましょう。
表面利回りは8%だとして総家賃収入は800万円
経費率は20%で、年間の経費は160万円とします。
<ケース1>9000万円を融資してもらうとして、
金利1.5%で融資期間は27年で毎年の返済額は、418万円になります。
(1年目、元本285万円、利息133万円)
<ケース2>9000万円を融資してもらうとして、
金利3.0%で融資期間は35年で毎年の返済額は、416万円になります。
(1年目、元本148万円、利息268万円)
金利は違っていて融資期間も違うのですが、
毎年の返済額はほぼ同じという条件で比較してみます。
【金利1.5%融資期間27年の場合】
課税所得は、
800万円ー133万円ー220万円ー160万円=287万円
税金は、69万円
税引き後CFは、800万円ー418万円ー160万円ー69万円=153万円
【金利3.0%融資期間35年の場合】
課税所得は、
800万円ー268万円ー220万円ー160万円=152万円
税金は、36万円
税引き後CFは、800万円ー416万円ー160万円ー36万円=188万円
となって、
金利3.0%融資期間35年の方が、年間で35万円もCFが多くなります。
これって面白くないですか?
しかしながらデメリットもあって、
10年後の残債は、
金利1.5%融資期間27年の場合は、5946万円で
金利3.0%融資期間35年の場合は、7300万円になります。
当然の事ながら金利が小さく期間が短い方が残債は少なくなっていて、
1354万円も残債が違ってきます。
10年後に7500万円くらいで売却できたとして、
前者の方は1500万円くらいの売却益になるのに対して、
後者の方は200万円くらいしか売却益が出ないという事になります。
売却も踏まえてトータルでどっちが儲かるんだといわれたら絶対にケース1の方がよいのですが、早い段階からお金を手元に欲しいという考えも分からなくもないです。
そうなるとケース2を選択するという事も無い事もないのかなと思います。
とわ言え、CFが大きいというのは、その分たくさん利息を支払っていて、
その利息の分が経費計上されて税率の分がキャッシュバックしているようなもんで、
ケース1はその分を満額で元本返済に充てているわけですよ。
普通の感覚だったら絶対にケース1の方を選びますよね。
ケース1はケース2より、10年後の元本の返済は、1354万円進んでいます。
ケース1よりケース2の方が1年目のCFは35万円大きいです。
この差は経年で変わってきますが、仮に同じ水準で10年続いたとすると、
35万円×10年=350万円の差になります。
元本の返済の分、利息を多くはらっている事になるので、
1354万円×0.24(税率)=325万円
なんで、
なんとなくですが、元本返済の差=利息の支払いの差であり、
利息の支払いに対して税率を掛け算した分がそのまんまCFとして増えているって事になりますね。
売却を考えないで、とにもかくにも今現在の現金が欲しいというのであれば、
そういうのを選択するというのもないこともないのかもしれませんが、
普通はケース2を意図的に選択する事はないでしょうね。
ちゃんと計算をすると、
CFが増えるというのは目先の話で、
売却も含めたトータルでは金利が低い方がよいという話ですね。