昨日のブログの続きです。
不動産投資の中盤フェーズに入ってくると、資産と債務のバランスをケアする必要があります。
仮に毎年コンスタントに新築アパートを購入していくとする場合は、手出し金よりは物件の評価額と債務との差の金額をいかにカバーするのかというのが重要になります。
いわゆる、債務超過にならない状態をいかにキープするのかです。
物件をたくさん所有できるようになると、既存物件の運用だけで、BSの劣化分(評価額と債務の差)がある程度リカバリーできるようになっていきます。
そういう状態に持っていくためには、6億円くらいの物件が必要という事を昨日のブログで書きました。
今回は、6億円の物件を買うためにはどれくらいの資産背景が必要なのかについて書いてみました。
◆手出し金という観点
物件を買う事によってそういう純資産(評価額と債務の差にキャッシュを加えたもの)が増えるのですが、
物件を買っていくためには、自己資金が必要になります。
純資産の増加は、仮の数字ですが5%で考える事にしました。
一方で、手出し金はざっくりとどれくらいでしょうか、、
自己資金10%に諸経費を入れて15%くらいで計算してみましょうか。
0.8億円の物件を買う事で、毎年5%の400万円が純資産として増える。
0.8億円の物件を買うために、15%の1200万円のキャッシュが手元から無くなる。
こんな感じでしょうか。
昨日のブログで、6億円という数字を出しましたが、最初の0棟目から3棟目くらいまでは手出しを創出するだけでも大変ですが、
徐々に物件が増えると手出しくらいなら出せれるようになりそうですね。
ただ手出しなので、まだまだ楽だと思います。
◆債務超過しないかの観点
今回の話では、目標は総額6億円の物件の取得です。
それにともなってどれくらい債務超過するのでしょうか。
購入時の積算が全て60%だとすると、全部の積算が3.6億円になります。
という事は、
6-3.6=2.4億円が債務超過になっているわけです。
これを何かでまかなう必要があります。
既存物件からの積み上げを考える事にします。
物件を持っていると、その物件に対して5%の純資産が増加とすると、
毎年0.8億円のアパートを買う。6億円まで買うとすると、
1年目:0.8億円のアパート
2年目:1.6億円のアパート
3年目:2.4億円のアパート
4年目:3.2億円のアパート
5年目:4.0億円のアパート
6年目:4.8億円のアパート
7年目:5.6億円のアパート
8年目:6.4億円のアパート
という感じでしょうか。
毎年、それぞれの総額に対して5%の純資産が増えるので、
8年目までで、
(0.8+1.6+2.4+3.2+4.0+4.8+5.6)×0.05=1.12億円の純資産の積み上げができます。
2.4億円 - 1.12億円 = 1.28億円
となり、1.28億円足りないです。
債務超過しないかという観点で言うと、この1.28億円が足りていないわけです。
これは結構大きい数字ですね。
1.28億円余分に持っている必要があるのです。
ここが一番のボトルネックなんじゃないでしょうか。
ただ、これは時間がたてば解決できるものです。
毎年1棟でなく、2年で1棟とかペースを遅くすれば、経年による純資産の増加が期待できるので、足りない分は小さくする事ができるのです。
やっぱり毎年というのは凄くハイペースですよね。
事前にそれらをカバーできる資産をドカンと持っている必要があるわけです。
手出し金だけでも6億円の物件が買える状態まで到着するのは大変ですが、
債務超過しないかという観点だと、かなり難しくなります。
毎年買わないで、2年に1回買うとかにするとか、
5%という数字をもっと改善させるとか、
何かしらの工夫がないとなかなか難しいですよね。
手出し金と債務超過しないという2つの切り口で鉛筆なめなめしてみました。
あくまでも1つの考え方の一例ですのであしからず。