専業大家への道

横浜で大家業をしてるサラリーマンのブログ

運転資金融資で規模拡大し続けた先に何があるか

規模1億円の裏側

運転資金融資を繰り返しながら物件を買い続ければ、平凡な物件でよしとする限り、総賃収1億円はいずれ達成できるだろう。数字だけ見れば立派なポートフォリオだ。しかし現実には、超高返済比率の状態が続いており、年間キャッシュフローは100万円にも満たないはずだ。それが「規模1億円」の正体である。

問題は、その状態をヨシとするかどうかだ。運転資金で規模拡大した場合のゴールの姿を、走り始める前に明確にイメージしておく必要がある。そうしないと、気づけばCFが枯渇したまま5年、10年と苦しい状態に縛られることになる。

売却は戦略の一部、例外ではない

では、出口はどこにあるか。答えはシンプルで、売却だ。めいっぱい規模を拡大した後、順次売っていくことで初めてキャッシュが手元に戻ってくる。逆に言えば、売却を挟まない限り、この苦しい状態は終わらない。

「運転資金が嫌だから今すぐ売却する」という選択肢もある。だが冷静に考えると、運転資金を借りまくって規模拡大しても、どのみち最後は売却するわけだ。同じ売るなら、たくさん保有してから売った方がトータルでメリットは大きい。この点では、運転資金をフル活用して規模を積む戦略に分がある。

ただし、早期売却にも別のメリットがある

一方で、早めに売却して決算書をきれいに整えることにも大きな意味がある。決算書が健全であれば、より良い銀行と取引できるようになり、利回りの低い優良物件も手が届きやすくなる。これは長い目で見ると、じつは大きな差になる。

運転資金を借り続けると、高い返済額に対抗するため、どうしても地方の高利回り物件を中心に追い続けざるを得なくなる。戦略の幅が狭まっていくのだ。そこはトレードオフとして正直に向き合っておく必要がある。

拡大期の正解と、忘れてはいけないこと

それでも拡大期においては、地方でも何でもいいからとにかく規模を積むというスタンスが合理的だ。平凡な物件でもよしとするなら、運転資金を使って一気に規模拡大するのは十分に有効な戦術だと思う。

ただし、規模を積んだだけでは本当の意味では勝っていない。いい物件を買えているかどうか——そこが最終的な勝敗を分ける。規模の拡大に夢中になるあまり、物件の質を犠牲にし続けると、売却時に思ったほどの利益が出ない、あるいは売れない、という結末になりかねない。

 

運転資金でレバレッジをかけるかどうかは、アクセルを踏むかどうかの話にすぎない。正しい目的地にたどり着けるかは、ハンドル捌き次第だ。正しい道筋を進めているという確信があるなら、アクセルはベタ踏みしていい。ただ、そのハンドル操作だけは、絶対に手を抜いてはいけない。