土地から新築であれ、
建売新築や売建新築であれ、
首都圏で新築を建てたり買う場合、収益還元系の金融機関を使うのがセオリーです。
しかし収益還元系金融機関というのは、そんなに何度も連続で使えません。
連続的に頻繁に新築を建てていく場合、積算系の金融機関を使って建てていくようにならないと難しいような気がします。
しかし首都圏で、積算系金融機関を使って新築を建てるというのは非常に難しい事です。
今日のブログはそのあたりの話をしたいと思います。
ここでは簡単のために、
「金融機関の評価額」イコール「路線価ベースの積算値」とします。
さらに、実際は建物の方も延床面積から再調達価格などを使って積算を出して、実際の建築費との乖離なんかも考えないといけないのですが、
今回は、簡単に土地だけで議論したいと思います。
とりあえず分かりやすい例の数字を出してみましょう。
とりあえず、100㎡(=30坪)で考えてみたいと思います。
よく坪単価100万円って言葉があるので、
100m2土地の市場価格として3千万円と想定してみましょう。
次は積算・路線価ですね。
みなさんの検討しているエリアで全然違ってくるんですが、
神奈川県だと、路線価=20万円/㎡とか、10万円/㎡くらいです。
かりに20万円で見てみましょうか。
100㎡で、
価格が3000万円
積算が2000万円
です。
この時点で土地代だけで1千万円の乖離が出てしまいます。
評価額イコール融資額として、足りない分を自己資金を充当するとします。
仮に、自己資金20%を出す事を許容するとすると、
価格が3000万円に対して、
積算は2400万円くらい必要です。
という事は、路線価は24万円です。
自己資金20%出す事を許容するとして、
路線価24万円のエリアで、
坪単価100万円くらいの土地を見つけないといけないという事です。
これくらい安い土地を見つけないと、積算系の金融機関を使って物件を買う事ができないという意味です。
これって、なかなか難しいでしょ?
神奈川県だと、路線価24万円の土地って結構高い方です。
結構、栄えている所です。
それで坪単価100万円というのは難しいと思います。
神奈川県だと、路線価20万円より低いエリアの方が遥かに多いです。
路線価10万円のエリアでも、坪単価100万円を下回る事って中々ないです。
そもそも違う競技をやっているのかくらい実際と銀行評価が乖離していような気がします。
もっともっと路線価と実勢価格との差が小さい所にいかないと難しいような気がします。
坪単価30万円で、路線価9万円くらい
坪単価20万円で、路線価6万円くらい
坪単価10万円で、路線価3万円くらい、だとちょうどイーブンくらいですかね。
実勢価格と積算がイーブンという意味。
数字の比さえあっていたらいいと思いますが、絶対的な数値としては、これくらい安い価格帯にならないとイーブンにならないんじゃないですかね。
ですので、積算系金融機関を使って、
新築アパートをどんどん量産していくんだったら、上記のような実勢と路線価がちゃんと均衡するようなエリアを探して建てていかないといけないのです。
もちろん、満室経営できる前提で。