ある土地の検討をしていました。
土地は普通に一般公開されて売られているものです。
付き合いのある工務店にお願いをして見積もりを出してもらいました。
その結果、私の基準を満たす数字は出なかったので保留にしていました。
そこからしばらくして、見積もりをお願いしていた工務店から連絡が入りました。
工務店:あの土地、どうされますか?
私:いま保留中なんですよ。
工務店:実は他の業者からあの土地の建築依頼が来たんですよ。
私:えっ、そうなんですか?
工務店:はい、でも一番最初に声をかけてもらったので声をかけさせていただきました。
私:ほう。
工務店:もしも、そちらが建てられるならそちらはお断りしますが、もしも建てられないのならその業者の案件を引き受けようと考えているのです。
そういう電話でした。
少し再考しましたが、最終的にお断りしました。
おそらく別の業者は採算が取れると判断し、その土地をホールドし、その工務店を使ってアパート建築を行うのでしょう。
これって凄く興味深い話ではないですか?
業者も私も同じ土地を見ているし、
そしてアパートを建てる工務店も同じわけです。
それで、私はそのアパート建築プロジェクトをNO-GOにし、
その業者はアパート建築をGOとしたわけですから。
工務店が違えば、そういう事もあるだろうと思う話かもしれませんが、今回は同じ工務店です。
私と業者とで判断がわかれたのですが、一体何が違っていたのでしょうか?
考えられるものをあげてみました。
(1)目標とする利回りが違っていた
(2)業者は土地の指値に成功した
(3)建築費以外の諸経費を安くすませれる目途があった。
(4)工務店の建築費の価格がお得意様価格になっていた?
このあたりなんじゃないでしょうか。
まず(1)について。
業者は自分の利益をいれないといけないのでその点では私の方が有利なはずです。
今の市況、かなり利回りが低くなってきていますが、私はソコソコ高い利回りを目標にしています。
そして厳しい目に家賃想定を見ていたので、私の目標値が高すぎたのかもしれません。
次に(2)について。
これは大いにアルと思います。
私はこの案件は、さほど前向きではなかったのですが、もう少し売主とコミュニケーションをとりながら進めていけば、いい感じの指値の着地点を作り出す事ができていたのかもしれません。
次に(3)について。
解体費や地盤改造費や引き込み費などの諸々の費用の見積もりが甘かったかもしれません。
私はかなりざっくりでした。
おそらく業者は、専門の業者に来てもらって精度の高い見積もりをとってもらっているはずです。
こちらは、過去の経験から来るばっくりとした概算見積もりです。
当然、精度は悪くて高め目の金額になりがちです。
最後に(4)について。
業者価格というほどの事ではないですが、
工務店に対して、多少の値引き交渉はやっているはずです。
(2)から(4)の合せ技で、
業者は少しづつ総工費を削りなんとかうまく企画を作り上げたような気がします。
(2)で数百万円くらい
(3)で1~2百万円くらい。
(4)で百万円くらいは、コストダウンをしているような気がします。
ですので、
(2)~(4)のうん百万円のコストダウンを実現して、
そこに業者の利益をのせて見事に企画を作り上げたと思います。
詳細はわかりませんが、数字がもしもわかるのなら完敗と感じると思います。
勉強になりました。
そういう業者って、凄ーく安く作ってくれる工務店とつながって激安でアパートを建築していると想像するのですが、
もちろんそういう業者もいますが、
やっぱり業者も少しず地道にコストダウンをするなど創意工夫や努力をしてうまく企画を作り上げているんですね。
それと、業者はやはりやり慣れてますよ。
毎日毎日仕事でやり慣れている人達を相手に、業者の利益というハンディキャップはあるものの真っ向勝負をいどまないといけません。
反省点や改善点や気づきもたくさんありました。
仕事でやっているとは言え、全然業者の方が1枚も2枚も上ですね。
私の検討の取り組みももっと洗練させていただいものです。